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さまよい歩く・・・

DNAの仕業

何が絵を描かせているのか。
本人の作意を越えた、その正体なるものをはっきりと見たような気がした。


アボリジニたちが代々生活を営んできた大地、風景、民俗文化・・・が
キャンバスの上には凝縮していた。
80歳から絵を描き始めたというエミリー・ウングワレー

点描の作品は、大地やそこに芽生えた植物や花を想起させられる。
その下に描かれていた線。
ボディペインティングにも用いられていた線。
次第に「線」だけがキャンバスの上に現れ、
自由にのびのびいきいきと表現されてゆく。


「線」の作品がいい。
「ヤムイモ」シリーズに、「神聖な草」シリーズ。

さらにそれを越えるすばらしい最晩年の作品。
点描とも線とも異なるみずみずしい色彩。

新たな境地を開き、これからという時に
亡くなってしまったのが非常に残念。

どんどん生命力を帯びていく作風の変貌が圧巻。


彼女の作品は、作家個人の領域を超え、
アボリジニのDNAによって描かされている感じがした。
アボリジニという民俗が受け継いできたものがさらに継ぎへとつなぐために。
さらに民俗を越え、何が大切なのか、すべての人類に語り始められていた。



エミリー・ウングワレー展
7月28日(月)まで
国立新美術館
by chienosuke | 2008-06-02 00:22 | ☆おすすめ☆
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人生ってそうじゃない?どこに行き着くのかもわからず、ひたすらさまよい歩み続ける。そう、まわり道をいっぱいしながらね! 

by chienosuke
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